いつも、あの曲

福造は、嫌な予感がした。
せっせと、出掛ける支度をしている相棒。
装備から察するに、同行出来そうだ。
しかし、不穏な動きも。
一言注意してみる。
「おい、麻酔銃の安全性装置が外れているぞ」
相棒は「バレたか」と開き直っていた。



その日は、都内めぐりを決め込んだようだ。
六本木にて、写真を観て、写真を撮って。
そこで、1回目の麻酔銃を発射している。
危惧した通りだ。



次に上野を徘徊。
そこでも写真を眺める。



今度は渋谷に飛ぶ。
「ひかりえ」などという場所に連れて行かれたら怒ってやろうかと思う。
しかし、向かった先は「東急東横」。
さすが相棒、中古カメラウイルス患者特有の症状が現れている。
ここでも麻酔銃、暴発させるつもりか?
それは免れたようだ。



最後に行き着いたのは中野。
「ここでは派手に発射するよ」と相棒。
その言葉通り、本日2度目の麻酔銃を発射。
しかし、福造はにんまりしている。
念願叶っての広角24mmレンズ。
たまには、乱射事件も悪くない。
色々お持ち帰りした相棒も、にんまりしていた。


*   *   *   *   *


土曜日は、行きたい所に行って、欲しいもの買って。
日頃のストレスも吹き飛ばす勢いで。



六本木で、植田正治の写真を観に行く。

そんなことでもないと、こんな都市には寄り付かなかったけど、たまには面白い物です。
オブジェの前で張ること数十分。
こんな写真撮れました。

ついでに、鞄も買った。
中にインナーボックスを入れて、カメラバッグにする。
たくさん入るのが欲しかったのです。
何でもかんでも入れたら、肩が心配だけど。



それから上野。
公募展の招待券を貰ったので。
組写真が多くて、色々考えさせられました。
閉館時間が思ったより早くて、ゆっくり観られなかったのが残念。



そして渋谷に。
「中古カメラ市」が開催されていたんです。
どんなものか、一度行ってみたくて。
私と同じく、中古カメラウイルスに感染したおじさん方に紛れてみました。
イカとか2眼が多かった印象。
「あ、これは赤瀬川氏の本で見たことある」みたいなカメラがあったりして楽しかったです。
やっぱりオリンパスのカメラに目が行ってしまいがち。
あのデザイン、好きなんです。



最終的に中野のカメラ屋。
ずっと欲しかった福造の広角レンズ。
高かったけど、早く慣れたかったから買ってしまいました。
「24mm F2」
良いね、良いね。
ファインダーを覗くだけでも楽しい。
使いこなすのには時間が掛かりそうだけど、その時間も楽しくなることでしょう。
早速、翌日試し撮りに出掛けたのですが、それはまた別の話。