極上の1冊

これは贅沢な本です。
君へ。―つたえたい気持ち三十七話 (ダ・ヴィンチブックス)
ダ・ヴィンチ』という雑誌に連載されていたそうです。
何が贅沢かって、今をときめく作家達が「コミュニケーション」をテーマに、ショートストーリーやエッセイを披露しているのですから。



主に、メールや電話、FAXなど、現代の通信手段にまつわる話が散りばめられています。
その話も素晴らしいんですが、もっと感心したことが、作家の文才です。
文章って、短い文であればあるほど、言いたいことを表現するのは難しいです。
いかに短い文でいかに伝えられるか、それが文の巧さを分ける鍵だと思います。
この本では5ページという短い文に、作家の思いが凝縮されているんです。
それが本業と言ってしまえばそれまでですが、やっぱり凄く上手いです。
中でも、田口ランディさんと高橋源一郎さんの話は涙が出ました。
本を読んで涙が出るというのは、私にとってかなり希です。
多分、今までに3、4冊くらいしかなかった気がします。



短いので立ち読みでも結構、中の写真も良いので、本屋で見付けたら手に取ってもらいたい1冊です。
(※今日の題名は田口ランディさんの言葉を頂きました)