解説に乾杯

今日読み終えた本です。
夜の果てまで (角川文庫)

だいぶ前に買い溜めした本だったので、何でこの本を手に取ったかは覚えていません。
これは恋愛小説でした。
感想は痛くて仕方がなかった、とでも言うのでしょうか。
主要登場人物が5、6人いるのですが、それぞれの悩みだとか葛藤だとかが、痛々しい程伝わってくるのです。
そして、その中の一人に感情移入してしまうでしょう。
読み手によって、その感情移入する人物は変わると思います。



ここで特筆すべきは佐藤正午さんによる「解説」です。
私はあとがきは割と読むのですが、解説は気が向いたときにしか読みません。
今回は通勤の途中で本編を読み終えた為、暇だったのでたまたま読みました。
雑誌を破り、小説を読み合うカップルの話から始まり、この小説の生い立ちに迫ります。
そして、この小説の巧みさを解説していくのです。
解説ってこんな役割を果たすのか、と感心しました。
これを読むのと読まないのとでは、話の深みが全く違ってくるのです。
この解説は素晴らしかったです。



解説ばかりべた褒めしてしまいましたが、本編も勿論面白かったです。
ただ、読んだ本を紹介するのは難しいんです。
これから読む人に申し訳ないので、下手に内容に触れられないからです。
一番語りたい部分なんですが、難しいところです。