進化論

仕事が忙しかったことと、休みも家を空けていたことが原因で、凛とのコミュニケーションは無いに等しい日々が続いていました。
ミッキーは彼女の親友に上り詰めたというのに、私は家族として認識されたかどうかさえも微妙です。



久し振りに凛と遊びました。
ちょっと見ぬ間に大きくなっていました。
犬の成長は早いものです。



さて、私の記憶が確かならば、凛はスパルタしつけを受けていた筈です。
なぜなら、前飼っていた愛犬は、しつけに大失敗し、わがままし放題で手に負えない子だったからです。
それを繰り返さない為、母が張り切って、しっかりしつけると宣言していたのです。



前の愛犬は、溺愛され過ぎて、自分を人間だと思っていました。
食べ物に関しては、とてもグルメな犬でした。
初期は固形のドッグフードを主食としていました。
犬の世界ではマズいと言われているビ○ワンですら食べていました。
しかし、人間の食べ物をもらううちに、固形ドッグフードは食べなくなりました。
試しに、缶に入ったペディグリー○ャムを与えてみました。
食べました。でも、一気に一缶は食べられず、残りの半分は冷蔵庫に入れて次の日に与えることに。
やがて、1日置いたものは食べなくなりました。新鮮さがポイントなのだそうで。
勿体ないので、量も少ないシー○ーを与えてみました(ドッグフード界では最高級1個150円位)。
その後、それより安いものは食べなくなりました。
かくして、食に煩い犬に進化を遂げたわけです。
人間の食べ物も大好きで、甘い物に目がない子でした。
傑作だったのが、母の友人で、やたらとマズいお菓子を大量に作ってはおすそ分けする困った人がいて、我が家には大量の在庫が。
さすがに手作りの頂き物を捨てるのは忍びない、しかしマズくて食べられない。
愛犬にあげてみました(←十分失礼)。
愛犬は、臭いをかいで拒絶しました。
甘ければ良いって問題ではないようです。
この子の舌は本物だ、と家族で感心しました。



話は戻って、久し振りに凛の御飯をあげようとしたとき、母が
「あ、今凛ちゃんは夕御飯にお米食べるのよ。焼き鳥を細かく刻んで混ぜてあげてね♪」
食生活レベルが明らかに向上しています。
しかも、焼き鳥って…私の夕飯から分け与えろ、と言うのです。
聞く所によると、土用丑の日には鰻を食べていたとか。
今後のしつけに一抹の不安を覚えた夏の夜の出来事でした。