82回目で出会う

今日読み終わった本です。

草の花 (新潮文庫)

草の花 (新潮文庫)

この本はお馴染みヴィレヴァンで購入しました。
話の内容は、サナトリウムで無謀な手術を行い、命を落とした男の愛の記録、みたいな感じです。
その男の愛した2人の人物は兄妹だったりもします。
兄・・・同性愛というやつなのかどうかは知りませんが。
普通にその「愛」が周囲(友達、妹)に差別されずに、受け入れられているところが不思議でした。
どう見ても、友情は凌駕していました。
因みに、兄とも妹とも、彼の愛は実っていません。
いわば、失恋の記録です。


この作品は50年近く前の作品です。
私が手に取った本は八十二刷でした。
何月を経ても色褪せない本は素晴らしいです。
日本語がとても美しい作品でした。
中でも、このフレーズが気に入りました。
「オリオンの星座が、その時、水に溶けたように、僕の目蓋から滴り落ちた」
「泣く」というたった2文字を、このような言葉で表現できることが感動です。
だから、日本語は大好きです。