兵どもの夢の後

読むのに大分時間がかかってしまいました。

君の名残を

実際に読んだのは文庫版で、会社の先輩から借りました。
この本の著者は四日間の奇蹟 (宝島社文庫)を書いた人です。
話の内容としては、平家物語を大胆にアレンジしたものです。
私は時代小説は取っ付きにくくて、読もうとはしませんでしたが、そんなビギナーでも最後まで読める面白い作品です。
それは、著者の巧な文章のお陰だと思います。

多少、著者のアレンジで、史実と異なっていることは明らかですが、時代小説は面白いと思いました。
当たり前ですが、日本の歴史はこんなに入り組んでいて、そんな背景があって、思惑もあって成り立っているのだと思い知りました。
ただ教科書をなぞった程度の知識しかない私には十分過ぎる位刺激を受けたのです。

この話は、木曽義仲と源義経が中心となって展開します。
日本史の授業では、あっさりと源頼朝が幕府を開いたとしか触れていなくて、勝手に「頼朝は良い人、強い武将」と受け取っていましたが、この話を読んだ限りでは好ましい人物ではありませんでした。
そういう意味でも違った見方が出来て面白かったです。
そして、泣けます。
個人的には、義高と大姫の話がツボでした。
泣ける度は四日間の奇蹟より上です。

推薦人に松嶋尚美を起用したのは微妙だと思いましたが、読み応えがあって良い作品でした。
今度、時代小説にも挑戦してみようかと思いました。
全く関係ないですけど、「名残」という日本語の漢字と響きが好きです。