雨や鳥

昨日の晩に起こった出来事です。
昼間、十二分に寝てしまった私は、本を読んだ後も眠くありませんでした。
しかし、夜に寝るという習慣を崩すと、会社が始まってから困るので、無理矢理にでも寝ようとしています。
とりあえず、部屋の電気を消して、布団に包まって目を閉じます。



意識が飛んで、もう眠れたのだと思いました。
ふと気が付くと、私のベッドの上に何かが乗ってきたように軋みました。
咄嗟に、「犬だ」と思いました。
懐かしい感触。
しかし、私のベッドに乗ってくる犬は、もういません。
前にいた犬は、よく一緒に寝ていました。
しかし、今いる犬は、私の部屋に入れたこともないし、その時間はゲージの中で眠っているはずです。



では、あの感覚は誰なのかと。
視線を感じます。
しかし、私は目を開けることも、動くことも出来ません。
体の上にずっしりとした、何かを被せられました。
その後、覆い被さるように抱きしめられました。
なぜか、悲しい感じがしました。
それから、誰かは去って行きました。
私は、「あ、今夜は寒いから、母が掛け布団を掛けてくれたんだ、でも抱きしめられる程可愛がられてたっけ?」と不思議に思いながらも、自分を納得させました。
依然として、私は身体を動かすことが出来ず、頭の中だけは冷静でした。



それから間もなくか、少しの時間が経過したのか、急に身体が自由になりました。
背中にバネでも付いているかのように、跳ね起きました。
私の上には、寝る前と同じ布団1枚で、重い掛け布団はありませんでした。
なぜか、涙がいっぱい流れていました。
夢だったのでしょうか。
それにしても生々しく残っている感覚。
不思議と、怖くはありませんでした。



そんなことが起こった夜でした。
俗に言う「金縛り」の原因は、ヒトの睡眠のしくみにあると言われます。
眠りには「脳が眠る」周期と「身体が眠る」周期があって、金縛りに遭っていると思われる状態は「身体が眠っている」ときだそうです。
脳は起きているのに、身体は眠っているから、いくら脳で考えても身体は動かない。
そんな、メカニズムをテレビで観た事があります。
それ以来、金縛りに遭うと、私の脳は冷静に分析します。
「あ〜、これが金縛りってやつね。ナルホド、本当に身体動かないや。身体は寝てるのね。不思議だ。」とその状況を楽しんでいます。



しかし、身体が動かない+αの出来事は初めてでした。
やはり、あれは夢なのでしょうか。