所詮、かわいいのは自分で

昨日読み終わりました。
そろそろ秋も終わりです。
読書熱、冬でも冷めそうにありません。

もっと、わたしを (幻冬舎文庫)

もっと、わたしを (幻冬舎文庫)

この著者は3作目です。
前に読んだ、「グッドラックららばい (講談社文庫)」は、面白かったんですけど、共感できない、そんな印象でした。
この作品は短編集で、それぞれの話が所々で繋がっていて良い感じでした。
そして、主人公たちは皆、思い切り自己中心的で、マイペースを貫いています。
この著者は、そんな人物像を描くのが抜群に得意なのではないかと思います。



こんな人たちが身近にいたら、関わりたいとは思いませんが「読む」のなら気持ちが良いものです。
誰もが持ち合わせているけれど、必死で隠していたり、見ないふりしていたりする部分を、彼らは恥じることなく曝け出しています。
あくまでも自分優先、何が何でも我が道を行く。
自分には真似できそうもないので、尚更、痛快で面白いです。
ほんの少しだけ、自分に素直に生きてみようかな、と思わせてくれる作品でした。
おまけに、奥田英朗の解説付きで、相当毒吐いていてニヤリとしてしまいました。



世の中、キレイ事ばかりでは渡っていけないのです。
キレイでいようとしても汚れてしまうし、キレイな物は汚したくなるのが常というものです。
そうであれば、汚れてもいいから、人生は楽しんだ者勝ちだと思います。