宝くじよりは確率高し

本日、デビュー致しました。
競馬場なる物に足を踏み入れました。
どうやら大きなレースらしい「第8回ジャパンカップダート」がある大井競馬場です。
事の発端は、先月より入社した新人です。
新人とはいえ、私よりも10歳以上年配です。
彼は、一日千円のお小遣いをやりくりしてまでも競馬に情熱を注いでいるというマニアです。
競馬未経験者の社長が興味を持ち、一度行ってみたいと言い出しました。
そして、私も誘われるがままに同行したのでした。
人生、経験してなんぼです。



競馬には、あまり良いイメージを持っていませんでした。
破産だとか、ギャンブル漬けだとか。
しかし、そんなイメージはすぐに払拭されることになるのでした。


1.意外と若い人が多い
年齢層は、明日の生活費もままならない、疲れた中年親父ばかりだと思っていました。
実際は、家族連れも多く、若い人もたくさんいました。


2.キレイ
競馬場はとても清潔でした。
広くて、レストランもたくさんありました。
発券所の殆どが機械で、たくさん数があったのにも驚きました。


3.お金がなくても大丈夫
100円から賭けられます。
賭け方も色々あって、貧乏人の私でも十二分に遊べました。


4.楽しい
勝つことだけが競馬の醍醐味ではありません。
青空の下、真昼からビール。
会場の熱気、美しい馬。
色々と楽しめます。



さて、生活に余裕がない私は投資額に限りがあります。
更に、勝負する度胸がなく、貧乏性ときています。
それでも、普通に遊んだと割り切って、3000円の損失は構わないとすれば、気楽になります。
本日のレースは12回。
第3レースから参加したので、全10レース。
1レース300円ずつ賭けることにしました。



初めて挑んだ第3レース。
いきなり適当に選んだワイド馬券の一点買いで的中させました。
ビギナーズラックの良い例です。
しかし、第4、5レースでは惨敗。
欲張って馬連とか単勝にしたのがいけませんでした。
競馬新聞の予想を見てもよくわかりません。
新人の熱心な解説も飽きてきたので、社長と「馬は見た目だ」と言い出す始末。
新聞の情報等の潜入感をまったく持たずにパドックで見た印象のみで決めようという遊びに転向しました。
所詮、素人なので事前情報を聞いたところで変わらないのです。
「あいつ、良い筋肉だよ」
「あの子、良い毛並みですよ」
「あれ、瞳に秘めたる闘志がみなぎってる」
「あっ、あの馬が絶対速そう」
全くの素人判断。
二人の意見が一致した馬は、見事ビリでした。
それでも、他の馬を見初めるのに成功した私はワイドを当てました。
第二回戦でも、気に入った馬が複勝で当たりという結果に。
更に、次のレースでも圏外だった馬を当てて、すっかり天狗になりました。



そして、奇跡の第9レース。
事前情報とパドックを見て気に入った馬を選出した馬券は「キッズヴェローチェ、ニシノブルームーンニシノブルームーン、リミットブレーカー」のワイド馬券。
そして「キッズヴェローチェ」の複勝
結果は1着キッズヴェローチェ、2着ニシノブルームーン、3着リミットブレーカー。
全て当てました。
300円が2900円に化けました。
これは、やめられません。



そして、メインの第8回ジャパンカップダート
会場の熱気も凄まじく、どの馬も素人目で見ても別格でした。
本命のヴァーミリアン中心のワイド馬券を握り締め絶叫です。
見事、ワイド馬券を当て、更に保険で買っていたサンライズバッカス複勝も当てました。



こう書くと、相当儲かっているように聞こえますが、私は手堅くワイドと複勝ばかり狙っていたので、配当金は少なかったのです。
それでも、堅実に賭けたおかげで入場料、食事代、交通費+αの儲けとなりました。
更に、新人が最後のレースで大穴3連複を当ててボロ勝ち。
餞別まで頂きました。
もっとも、その餞別は明日のジャパンカップの前売り券に注ぎ込みましたけれど。



そんなこんなで、競馬デビューは華々しい結果となりました。
ポイントは、見た目と名前と無欲。
儲けようとしている訳ではないので、馬券の買い方も損得関係なしの滅茶苦茶です。
ただ、自分の見初めた馬が3着以内に入っていれば満足だったんです。
しかし、捨てるつもりだったけれど儲けてしまったお金というものは、すぐに消費してしまうもので。
今回の勝ち分は今夜のワイン代になって消えました。
競馬で貯蓄しようだなんて考えない方が良さそうです。
しかし、一つの遊びとして考えると悪くないと思えたのでした。