通過儀礼

友人から、「最後のどんでん返しが凄い」とお勧めされたので手に取りました。
確かに、背表紙の解説でも強調されています。

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)



この本を、いつもの古本屋で探した時点で、少々の不安がありました。
ずらりとこの本が並んでいた上に、105円コーナーにまで置かれていたのでした。
私の思い込みとして、「古本屋にたくさん並んでいる本は微妙な作品が多い」があります。
素晴らしい作品は、手放すのが惜しまれる。
運良く古本屋に売られても直ぐに買われてしまうから。



読んでみたところ、物凄く普通の恋愛小説。
最後の二行を読むまでは。



確かに、最後の二行を読んだら、全く別の作品になってしまいました。
思惑通り、何回も読み直してしまいました。
ただ、あまりにも「どんでん返し」を強調していたので、読み進める間に、自分なりに「こんなどんでん返しではないか」という仮説をいくつか立てた中に正解が入ってしまっていたのが残念でした。
色々な「どんでん返し」の本に触れる前の5年前とかならば、今の十倍は楽しめたと思います。
とにかく、面白かったことは確かです。