アリとギリギリ

4月末から現在に至るまで、新型インフルエンザ一色です。
フェーズ4になった頃あたりから戦いは始まったのです。
私の働く会社の仕事は、「衛生関連の消耗品を老人施設などに販売すること」だったりします。
小さい会社なので、何でも売ってるといえばそれまでですが、メインの仕事はこれなのです。
具体的に言うと、アルコールや塩素やディスポマスクに手袋。
他には、オリジナルの消臭剤なども売れ筋です。
冬場は「ノロウイルス・インフルエンザ予防講座」などと銘打って勉強会を開いたりもします。
講師が私だなんて、世も末です。



この新型インフルエンザ騒動で、業界はパニック状態です。
マスク不足というのは、マスコミでも散々取り上げられているのでご存知の方は多いはず。
4月末に発注した商品が未だに届かず、受注残は増えていく一方。
中国のマスク工場には、鞄に札束を詰めたブローカーが殺到していて、高く購入する者へ優先して売られているという噂まで流れています。
確かに、今は価格より商品ありき。
この騒動以前のマスク相場は50枚入で300円弱。
ネットオークションでそれが10倍以上で売られていたのには驚きでした。
怪しい業者の参入が著しい今日この頃です。



マスクの次は、アルコールです。
医薬品、医薬部外品は即品切れ。
食品添加物のアルコールでさえも欠品が続きます。
それに付随して、アルコールを詰める容器やスプレーなどの材料も軒並み欠品状態だそうです。
マスク、アルコールの欠品までは予想出来ましたが、こういった容器関係にも影響が出るとは。
この辺りの不足は、中々世間には出て来ない実情ではないかと思います。



この1ヶ月間は問合せの電話と商品確保と手配とで、とても忙しかったです。
一見、景気の良い話に聞こえますが、思わぬ需要がどんどん生まれることで、普段から購入しているお客様に商品を供給出来ないことが申し訳ないです。
この騒動が落ち着いたら、市場がどう動くかは予想も付きませんし。



実は、我が会社は、去年の秋から「新型インフルエンザ対策の備蓄を」と呼び掛けしていました。
そのときに、備蓄をしてくれたお客様からはとても感謝されています。
逆に「そんな大袈裟な」「欠品なんて有り得ないから」と笑われたことも多々ありました。
そんなお客様からの問合せがあったときは内心「あのときの忠告を聞かなかったからですよ。少しは思い知りました?」と思っています。



一刻も早く、この騒動が治まることを願っています。