世界で一番美しい

先日、親友の結婚式がありました。
高校2年生からの付き合いで、大学もサークルも一緒。
この子がいなければ今の私は存在しないと言える程に、大切な友達です。
嬉しいやら、淋しいやら、複雑な心持ちで参列しました。
しかも、友人代表のスピーチの大役をやらせて頂けるということで、朝から緊張していました。



スピーチは、前半までは予め決めていました。
後半が思いつかないまま、当日を迎えていました。
「おめでとう」よりも心を込めた言葉は何?
「ありがとう」よりも感謝が伝わる言葉は何?
どんな言葉を組み合わせれば自分の気持ちを表せる?
こんなとき、語彙の乏しさに情けなくなります。


バージンロード。

新婦は、とても綺麗で。
新郎の表情も素敵で。
既に涙の堤防崩壊。

おめでとう。



披露宴も、とても素晴らしかったです。
あんなに幸せそうな笑顔見たら、祝福の気持ちしか湧いて来ないじゃないですか。

そのとき、自分の伝えたい言葉を見付けられたような気がしたのです。
色々考えても、いまいちピンと来なかった後半部分。
ようやく見付かりました。
「自分のことのように嬉しかったんだ」



披露宴中は、どう考えても泣く場面でない所でしゃくり上げていました。
シラフだったのに。
幸せ満開の新郎新婦の表情に。
そして、ご両親にとても大切に育てられたんだというのが伝わって来て、感極まってしまいました。
紹介VTRで、小さい頃の写真が出てきて、それだけでも涙が止まりませんでした。
撮影者であるご両親の愛情が、レンズ越しに見える。
それがとても良かったです。
写真って、やっぱり良いなと思いました。



こんな状態で挑む形になったスピーチ。
はい、最初から鼻声です。
ただでさえ、滑舌悪いのに。
途中から言葉が詰まって、新婦の顔を見たらもう止まりませんでした。
それでも一生懸命「おめでとう」って伝えたつもりです。
実は、何を言ったのか殆ど覚えてません。
でも、後から色々な人に褒めて頂けたので、少しは伝わったのかもしれません。
本当に、おめでとう。



二次会も盛り上がり、とても素晴らしい1日になりました。
「真の贅沢というものは、たったひとつしかない。それは人間関係に恵まれることだ」
サン=テグジュペリの言葉をこんなに実感した日はありませんでした。



その日は、夢中で写真を撮りました。
人物を撮るのは苦手なのだけれども。
決定的瞬間を逃さないように、って考えると色々操作出来なくて、結局はオート撮影で無難に収まってしまいます。
今回も然り。
色々考えて撮った写真よりも、いつ撮ったのか憶えていなかった写真が、今日一番の出来になったのは皮肉なものです。
でも、この花嫁の表情がこの良き日を物語っていました。
ピントも合ってなくて、不器用な写真だけど。