猫はどこだ

福造は、気分が良かった。
久し振りに外へ出たからだ。
先週は、頼りない相棒が筋肉痛だとか言って部屋に閉じ込められていた。
晴れてはいないものの、少し暑い位の気候で外出日和である。
相棒に行先を尋ねたところ、「キャッツだよ」と異国語を発する。
何やら、鼻唄交じりに煮干しを鞄に詰め込んでいる。
理解に苦しむ。
そして、何かに焦っているような相棒に落ち着けと諭す。
相棒は、少し悲しそうな顔をして、力なく笑った。



連れて行かれた場所は、日比谷公園だった。
休みの日だからか、人で賑わっている。
様々なイベントも催されており、少しテンションが上がった。
薔薇が綺麗に咲いている。
愛らしい子どもたちが笑顔を振りまいている。
大根踊り」なるものを踊る学生がいる。
ベンチで読書に耽る老人もいる。
被写体に事欠くことはなさそうだ。
さて、相棒の目的である猫はどこだ。
人が多いせいか、少し暑い気候のせいか、殆ど見当たらない。



少し気の毒に思った福造は、相棒に訊いてみる。
「この煮干し、どうするんだ」
相棒は、不貞腐れた。
そして、自らが煮干しを食べ始めたのだった。



いい加減、この福造との妄想話を書くのは危ないだろうか。
自分は楽しんで書いているのですが。
さて、今日は公園散歩です。
日比谷公園は、猫がたくさん出没するとの噂を聞いたので、行きたかったのです。
猫を探しつつ、スナップ写真を撮っていました。
新しく購入した45mmF1.8のレンズ、かなりお気に入り。
ピントが甘かったりしてますが、大目に見てやってください。


子どもの写真撮るの大好きです。
愛情たくさん受けてるんだろうな、っていう表情が撮れると嬉しいです。
私は、女性だから子どもを勝手に撮っても微笑んでいれば不信に思われません。
そのあたりは、役得だと言われたことがあります。




某農業大学の学生たちが、学園祭の宣伝をしていました。
大根の無料配布、欲しかったけど持ち帰る勇気がありませんでした。
青春な感じで、昔を懐かしく思ったりもしました。





外人さんて、何をするにも格好良く見える。



そして、肝心の猫。
いない。
苦心して見つけた子たちを並べます。



煮干しをあげたら無視されました。
悲しい。



福造をぶら下げて公園を徘徊していると、今日も声を掛けられました。
父親と同じくらいのおじさん。
「珍しいカメラですね」と。
それから、PENの話とかも。
私の持っていたレンズは全て単焦点で、それも「珍しい」と。
お話していて楽しかったです。
そして、そういう人と別れるときに必ず言われる言葉。
「良い写真、撮ってくださいね」とにっこり。
福造効果は絶大である。
だから悪くないんだ、こんな休日も。