泣きたい癖に、一応礼儀のように作ってみせる無理のある笑顔

すっかりはまってしまいました、辻村深月

冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)

冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)

冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)

冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)


やや不思議系なお話なのですが、このオチにはすっかりやられました。
スロウハイツの神様」に劣らず、この伏線回収作業は気持ちが良かったです。


しかし、私が嵌る理由はそれだけではなくて。
心理描写が、共感出来るというか、生々しくて痛い。
特に、負の部分が。
誰でも持っているようなコンプレックス。
でも、人に言うまでもないというか、何かが邪魔して言えないというか、その微妙な悩みや苦しみ。
それが、凄く私は好きです。



「・・・お前ね、自分の痛みより先に他人の痛みに気付くようだとなかなか幸せになれねぇよ」



今年は、彼女の作品を読み漁るんだろうな。
実際、読み応えのある頁数でしたが、サクサク読めてしまったし。



もう1冊。

セクシィ仏教 (メディアファクトリー新書)

セクシィ仏教 (メディアファクトリー新書)

こういう類の本も結構好き。
「仏さま、煩悩がなくなりません・・・。」
人間ですからね。