ていねいな言葉でものを言うようになっていた
映画で感銘を受けた後に、この本を手に取る。
- 作者: 芥川龍之介,太宰治,宮沢賢治,他
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2012/08/25
- メディア: 文庫
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私は、短編が上手い作家が大好き。
例外なく、短編で引き込むことの出来る作家の長編は面白い。
制限された世界に、無限に広がる創造性。
それを表現出来ることが、とても凄いと思う。
だから、新しい著者を発掘する意味合いで、短編アンソロジーを購入したりします。
でも、この時代の文学でっていうのは新鮮。
映画を観なかったら、手に取ることもなかったのかも。
良い本に巡りあえた、それも縁だったりしますよね。
昔の文章は、とてもキレイ。
惚れ惚れする。
こういう趣旨の本がもっと出ればいいのに。
そうすれば、敷居が高いと思っていた時代に触れられる。
先に映像を観てしまったからか。
そっちの方が印象が強かったというのが本音。
それだけ、映画は気に入っていたのです。
でも、「鮨」は読んでも「これは良い」という印象が揺るがなかった。
これ読んだら、絶対お寿司を食べたくなる。
趣旨は違うけれど、江戸前鮨とか食べたくなるから、絶対。
この本で、一番ワクワクしたのは太宰治の「グッド・バイ」。
正直、太宰治は、好きではなかった。
でも、これは面白い。
なのに、未完成。
滅茶苦茶、結末が気になる。
でも、それは叶わない。
なんて罪作りな男。
これを読んだとき、伊坂幸太郎の「バイバイ、ブラックバード」が頭に浮かんだけれど、それは間違いじゃなかったのね。
- 作者: 樋口有介
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/02/01
- メディア: 文庫
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確かに、この表紙の意味が解ったらぞっとしました。
でも、このモヤモヤ感。
伏線放置、これは如何な物かと。
「これは、読み手の想像にお任せしますよ」
そういうのも、良いと思っているのですが。
この作品では、「回収しなさ過ぎでしょ」。
と思ってしまいました。
そこを問い詰めたいけれど、ネタバレ甚だしくなってしますので、自粛。