ごちそう権

毎正月、両親に贅沢を味わってもらいます。
美味しい物をご馳走します。
実家を出てから、何となく恒例となってしまいました。



私の両親は、贅沢を知らない。
貧乏性とも言う。
マイホーム建てて、娘二人を育て上げて、還暦過ぎた今でも働いている。
私なんか、大学まで通わせてもらいました。
贅沢なんてしている余裕なんてなかったのでしょう。
私も一応一人立ちして、ようやく自分たちの為に贅沢出来るかと思いきや。
姪子の誕生により、今は嬉々として彼女に貢いでいます。



社会人になって改めて、その有難さが少しだけわかったような気がします。
未だに、親には心配を掛けている模様。
たまには、親孝行しておかないと。



今年のリクエストは「カニ」。
去年と同じです。
毎年、父にお伺いを立てるのですが、年々グレードアップしています。
「この辺なら大丈夫なんだな」と様子を見ているらしい。
去年のカニが美味しかったらしく、今年もそれがいいと。
仕方ない、去年よりも高いコースを予約しました。



カニのお刺身。

甘くて美味しい。
メインのタラバガニの炭火焼。

どうだ、美味しいでしょう。娘は一生懸命働いているのだぞ。

私はカニ酒も頼みました。
娘の中身はすっかり親父なのだぞ、疲れているのだぞ。
ダシが良い感じで美味しい。
ふぐのヒレ酒が好きな人にはおすすめ。



両親は、満足したご様子。
絶対自分たちだけの為に、こういう贅沢出来ない人たちだから。
私は伝票見て、涙目でしたけど。
見栄は張らせて頂きます。
会計時、母親に「お姉ちゃんと姪子にもお土産を」と色々買わされました。
自分たちだけ贅沢するのは、気が引けるそうな。
払うの私ですが。



そういえば、帰ったときに私の残した荷物が全て撤去されていました。
私が、実家に戻ることなど微塵も考えていないようです。
そのつもりもありませんが、やや複雑な気分。
カニ美味しかったし両親もご満悦だから、まぁいいか。