女郎の誠と卵の四角

二冊とも、面白かった。

吉原手引草 (幻冬舎文庫)

吉原手引草 (幻冬舎文庫)

直木賞受賞作。
吉原に関わる人たちの証言を元に、浮かび上がる花魁失踪事件の謎。
どんどん浮かび上がる、葛城という花魁の人間像。
明らかになっていく真相。
ミステリーとしてもかなり面白い。
それだけに留まらず、吉原の日常がしっかり書き込まれていて、とても解りやすく知識としても入ってくる。
そういう二度おいしい作品、大好きです。



シャイロックの子供たち (文春文庫)

シャイロックの子供たち (文春文庫)

池井戸潤の作品は2冊目。
金融関係には疎いので、やや苦手意識があったのですが、この作品は一気読みでした。
今年読んだ中でも上位に入ります。
とある銀行で働く人たちの群像劇。
この陰鬱で張りつめた空気が最高。
特に、「銀行レース」は秀逸。
ただ、この本読んで銀行員になりたいとは思わない。
融資だの投信だの数億単位の話が出てくる度に、気が遠くなりました。
でもお勧め。