誰でもセンスはある。ただ勇気がないんだ。

テレビの宣伝を見て、私の勘が働いた。
これは、観るしかない。

Bill Cunningham New York [DVD] [Import]
ビル・カニンガム&ニューヨーク


ニューヨークのストリートでファッションを50年も撮り続けているおじいちゃん、ビル・カニンガムのドキュメンタリーです。
私が心を魅かれたのは、彼が使っているカメラ。
Nikonのフィルムカメラだ。
しかも、魅力的なストリートスナップ写真が満載。
ネットから拾ってきた画像ですが、この写真を見たときは、ぞくぞくしました。



本当に良い映画でした。
何て、魅力的なおじいちゃん。
自転車に乗って、ニューヨークを駆け巡る。
そして、軽快にシャッターを切る。
その瞳が、キラキラしていて、撮ったその写真にはファッションとそれを着こなす人への愛がある。
モデルにセレブ、誰もが彼のファインダーに収まりたいと思う。
しかし、彼には地位なんて関係ない。
何もかもがファッション次第。



そして、彼のライフスタイルも凄まじい。
お金に無頓着。
コーヒーは安ければ安い程美味しいと言う。
カーネギーホールの狭い部屋に住み、バス・トイレは共同。
部屋には、服が数着、ベッドも簡易ベッド。
あとは、今まで撮ったフィルムを収めるキャビネットだらけ。
街に出て、写真を撮れればそれだけで幸せだと言う。
服は、作業員が着る青い「上っ張り」。
ポンチョは、どうせ破れるからと言って、ガムテープで補正して着ている。
なのに不思議、とても格好いい。



使用カメラも、Nikonのフィルムカメラを愛用。
最近はデジタルも使い始めたらしいのですが、映画では一貫してフィルムカメラを使用していました。
しかも、レンズは35mmの単焦点一本。
ファッションショーのシーンは何とも皮肉で爽快。
普通のカメラマンは、大きい望遠レンズを持ってステージの正面を陣取る。
一方、彼はステージの横から色々な角度で撮る。
しかも、カメラは定番のそれです。


ファッションが好きな人、カメラが好きな人は勿論のこと、それらに興味がない人でも楽しめる作品だと思います。
ビルの仕事に対する姿勢、人間性は、観る人を魅了するはず。
最後のシーンは、とにかく印象的。
パンフレットを買ったのは、いつ振りだろう。



おまけ。
浅草で、ビル・カニンガムごっこ
単体であれば、派手で個性的なおじいちゃん、おばあちゃんだけど。
夫婦(推定)でこのセンス、イイネ。