泥より出でて泥に染まらず

福造は、見惚れた。
珍しく早起きした相棒が連れ出したそこは、桃色の大きな華が咲き誇る。
いつの日もミーハーな相棒は、こういう風物詩に弱い。
勿論、興奮している。
仕方ない、爺が手助けをしてやろう。
親父カメラマンたちの注目を集めて、絶好のポジションを譲ってもらうことに成功。
そして、彼らに手伝ってもらいながら蓮撮影を満喫する相棒。
ちゃっかり者である。
しかし、三脚を持って来ていないことを説教される相棒。
うっかり者である。

*   *   *   *   *

前の日曜日、不忍池にて蓮の花を撮りに行きました。
朝の8時くらいに着いた頃には、たくさんのカメラマンたち。
福造をぶら下げていると、やはり声を掛けられます。
「姉ちゃん、良いカメラ持ってるね」
そして、懐かしくも美しいシャッター音に聞き惚れる。
お言葉に甘えて、カメラマンのおじ様たちの中に入れてもらって撮影させてもらえました。
特製の針金で、蓮の花を手繰り寄せてもらったり。
レフ板をかざしてもらったり。
はたまた、葉に水を入れて人口朝露を演出してもらったり。



いつもはスナップばかりだけど、たまには花も良し。
自慢の新入りE−P5は、やはり優秀でした。

思っていたより大きい蓮の花。

人口朝露。

仏様の坐る場所。

これからが、愉しいとき。

終わりもまた、美しき哉。

福造で撮った写真は、また後日。