写真を撮ろう

昨年、遠方に引っ越ししてしまった姉と姪子と甥太郎。
正月から、長期間の里帰り中。



先々週のこと。
ふと父が呟く。
「みんなで、写真撮りましょうか」
思い掛けない提案に驚きました。
結局、三脚がなかったり、母の仕事に行かなくてはいけなかったりで、その話は流れてしまいました。



しかし、その提案がずっと引っ掛かっていたんです。
はて、家族揃って最後に写真を撮ったのはいつのことだったか。
恐らく、姉の結婚式のとき。
それでも10年近く前の話だし、そんな写真はどこにあるのかも不明。
その前に撮った記憶は全くなく。
姉が中学生になって、部活だ何だと忙しくなってから、家族旅行もしていない気がする。
家族旅行をしたとしても、父がカメラマンになっていたから、みんな揃っての写真なんてないかもしれない。
姉も遠くに引っ越してしまった。
父や母も、傍から見れば立派なお爺ちゃんお婆ちゃんである。
みんな元気な姿で写真に収まれるのは、今しかないのかもしれない。



そして、この週末。
家族に「集合写真撮るからね」と予告して帰省。
持参した三脚を使って、セルフタイマーで。
勿論、家族の一員である愛犬も一緒に。
甥太郎は、きょとんとしている。
姪子は、とてもはしゃいでいる。
姉は、少し恥ずかしそうだ。
母は、文句を言いつつ嬉しそう。
父は、黙っているけれど笑顔だ。
私は、緊張しているけど、口元が緩んでいる。



ごく普通の家族の写真。
何でもない写真。
そこに写る、少し不器用な家族。
大切な、大切な私の家族。
私が帰る場所。



撮った写真は、その日にプリントして額に入れられました。
居間の一番目立つ場所に飾られることとなったのでした。