明日も、ちょっとだけがんばろう

最近、待合室にいることが多いので、本を読む時間が増えました。

カミングアウト (徳間文庫)

カミングアウト (徳間文庫)

これは、久々の当たりでした。
読み終わって、スカっとする小説は大好きです。
誰にでも、心の中に抱えた秘密はありますよね。
カミングアウトすることが良いとは限らないし、秘密を持つことも悪いことではない。
でも、言ったら何かが変わるかも。
解説で「いつも我慢ばっかりしている人にお勧め」と書いてありました。
そう、思います。



大型ショッピングセンター「タイニー・タイニー・ハッピー」で働く人たちのお話です。
読み易かったけれど、少しキレイ過ぎて退屈でした。
登場人物も、あまり魅力を感じられず。
もっとドロドロした刺激が欲しかったです。



奇想と微笑―太宰治傑作選 (光文社文庫)

奇想と微笑―太宰治傑作選 (光文社文庫)

太宰治、何作か読んだことがありますが、作品によって好き嫌いが分かれます。
この傑作選は、森見登美彦氏が「ヘンテコであること」「愉快であること」に主眼を置いて選んだとのこと。
楽しく読めました。
特に「擬人化もの」の三篇は傑作でした。



で、最後の「走れメロス」です。
有名な話ですが、実は初めて読みました。
「身代わりになった友を助ける為にメロスが走る。友情っていいよね」みたいな話だと思っていましたが。
さて、結末はどうだったっけか。



一切、メロスに同情や尊敬の余地がなかったです。
メロスの駄目っぷりは一体なんなんだ。
勝手にブチ切れたかと思えば、友の命と引き換えに我が儘を押し通し、さらに時刻ギリギリになったのだって、自分に甘いからであって。
もし、学生のときに読書感想文なんて書かされていたら、メロス批判ばかりしていたところでした。