ただいま、のあとに

2ヶ月程前、我が家の愛犬が永眠しました。
家族が15年溺愛した犬がいなくなったのです。
そのショックは相当なものでした。



中でも一番ショックを受けたのは母でした。
仕事から帰って、愛犬の訃報を聞くと、持っていた買い物袋を落とし、5分位放心状態でした。
漫画などでよくある袋を落とすシーンですが、実際見たのは初めてです。
生活の中心を失った我が家は、常に愛犬の思い出話をしては涙ぐむ毎日を送りました。



しかし、時間が経つにつれ、受け入れられるようになってきました。
それと同時期に、母の言動がおかしくなってきたんです。
以前から遺影に話し掛け、お菓子のお供え物を大量にあげたりしていて、十分に心配でしたが、何かが変わりました。
私が仕事から帰ると、居間のテーブルに「こいぬの育て方」という本や、ペットショップのチラシがわざとらしく置いてあったり…。
明らかに、新しい犬を飼いたがっています。
私と姉は困惑しました。父は何も語りません。
母としては亡くなった愛犬に対しての後ろめたさもあり、家族の後押しが欲しかったのでしょう。
私は今まで動物を飼う際、「今度こそ自分で全部世話するから!!」と言って100%の確立で約束を破っているので、口が裂けても言い出しっぺになるわけにはいきません。
姉も同様。父はまだ沈黙を続けています。



そして、昨日のこと。
旅行中の私にメールが。
『新しい家族ができました☆母より』
母はとうとうやってくれました。
休みの日の度にペットショップに通い、遂に離れ難くなったらしく、連れて帰って来てしまったのです。



ちょっと大きくなってしまい(生後4ヶ月)、買手がなかなか見付からなかったミニチュアダックスの女の子。
泣きそうな顔をしています。
確にあの目に見つめられたら捨てられないかもしれないです。
人見知りも激しく、前の愛犬とは正反対でした。
私も姉も呆れつつちょっと嬉しかったりで、新しい家族を受け入れました。
今までコメントを控えていた父はというと、昨日一日一緒にいたせいか、一番犬になつかれていました。
今朝も犬と密かに遊んでいたことを私は知っています。
所詮犬好きなんです、ウチの家族は。
そんなこんなで、ようこそ、我が家へ。