てんとう虫の賛歌

来週、3つ年上の姉が結婚します。
同じ苗字でいられるのはあと1週間なのに、全く実感が湧きません。



私にとって、姉はコンプレックスであり、自慢である人物です。
この姉妹は、そこまで仲良くありません。
女姉妹のいない友達から、「お姉さんがいて羨ましいなぁ。恋愛の相談とか服の貸し借りとかできてさ」と言われたことがあります。
そういう話題をするのが一般的な姉妹というやつなんでしょうが、この姉妹に限っては皆無です。
常に秘密主義。
結婚についての報告すら聞いたのは半年前で、旦那と顔合わせをする10日前でした。
服の貸し借りも、サイズも趣味も違うので、あまりしたことないです。
顔も性格も私と全く正反対、そんな姉を私は好きではありません。



姉はとてもキレイな人です。
痩せていてスタイルも良いです。
頭が悪くて、外ヅラが良くて、俗に言う世渡り上手なタイプです。
対する私は、無愛想で世渡り下手です。
近所でも全く似ていない姉妹として有名でした。
よく「お姉ちゃんはいつもニコニコして人なつっこいのに妹さんは…」と言われることもしばしば。
小さい頃は、お姉ちゃん大好きでべったりだった私ですが、物心付いてから自分と違うことに気付きました。
やがて、姉はコンプレックスとなりました。
この人と比べられるのが嫌で、卑屈になっていました。
だから、いっぱい勉強してテストで良い点取ったりして、姉を見返そうと躍起になったこともありました。
全く口をきかなかった時期もありました。
でも結局は私は彼女に勝てないのです。
姉は姉。どれだけあがいても、この事実は変えられなくて、やっぱり彼女が羨ましいです。
そして、やっぱり大好きです。
私は素直じゃないので、反抗ばかりしてしまうけれど、あの人が姉で良かった。
悔しいから本人には言わないけれど、誰よりも綺麗な花嫁さんになると思います。



引越しに向けて荷造りしている姉に向かって、
「何も残してて行かないで。家具もみんな。持って行けないなら捨てて行って。」と言いました。
姉は少し淋しそうに「え〜、帰って来たら居間で寝ろっていうの〜?!」と不満を漏らしていました。
私はただ、帰ることが必要にならない位、幸せになって欲しいだけのです。