あ〜痛い

自分で、これは限界だと思ったとき、どうすればいいのか。
これをチャンスとばかりに立ち向かうのか。
これもいい機会だとばかりに辞めるのか。
残念ながら、私にはどちらの勇気も持ち合わせていません。
ただ、ネガティブになって、悪い方向に思いを巡らせながら、嵐が過ぎるのをひたすら待ちます。
良いことではないと解りつつも、一歩も身動き出来なくなるときがあります。



帰りのタクシーの中、意識とは関係なく溢れ出しました。
ひたすら流れてくるので、なす術もなく俯いていました。
いつもなら千円以上かかるのに、運転手さんは何も言わずに初乗り料金を請求してきました。
「こんなんじゃ商売にならないなぁ」と笑ってくれたので、笑って御礼を言いました。



ふと金木犀の香りに包まれました。
大分前から咲いていたはずなのに、たった今やさしい匂いに気が付きました。
そんなことにも気を留められない程、回りが見えていなかったことに気が付きました。



鼻唄まじりに空を仰ぐと、夜なのに明るい空でした。
雲が流れています。
上空は風が強いのでしょうか。
そういうときは、立ち止まります。
まるで、自分が立っている地球が動いているように思えてきます。
自分が止まっていて空が動いているのではなく、空が止まっていて自分が流れていると思うと、不思議とそのようにしか見えません。



ほんの少しの良いことで、あと少し頑張ってみようかなって思える。
人間って単純なんだなって感じずにはいられません。