大袈裟ですけど、損してますよ
今日読み終わった本。
- 作者: 連城三紀彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1987/08
- メディア: 文庫
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数ページ読んで、気付きました。
何年か前に、水野美紀、渡部篤郎、和久井映見が出演していたドラマの原作でした。
ちなみに、これは短編集です。
結論を申しますと、本当に良かったです。
殆どの確率で、私は面白い本に出会います。
しかし、これは別格。
読み終わった後に興奮が冷めないのは久々の感覚。
そこそこ本を読んでいる私ですが、「お勧めの本は?」と聞かれると、いつも答えるのは4〜5冊程度です。
その中に今度から追加されること間違いなしの秀作でした。
しかも、書かれたのは昭和、色褪せない作品に拍手です。
短編集となると、良い作品だけではなく、普通の作品、イマイチな作品ももちろんあるのが常ですが、この本に収録されている話はどれも素敵です。
心を射抜かれる感じです、唸ります。
どの作品も愛しいどんでん返しがあるのです。
特に「恋文」と「私の叔父さん」のオチが最高、打ち抜かれてその心地よい痛みが持続中です。
文章も綺麗で、文句なしです。
この本に出会えて良かった、人生3割損するとことでした。
「恋文」で思い出したこと。
仕事で他エリアの取引先の人と名刺交換しました。
その人の名刺を見て名前が「愛文」だったので、思わず「名前、素敵な字ですね。何て読むんですか?」と聞いてしまいました。
その人は「『ラブレター』って読むんです」と答えてくれました。
恐らく、常套句なのでしょう、でも上手いこと言う人だと思いました。
そういえば、結局本当は何と読むのでしょうか。
話は戻って、あとがきにて、著者は語っています。
この話たちは、日常の生活から何らかヒントを得ているそうです。
最後の一言がこれまた上手いので紹介します。
「僕に小さな名場面や名台詞をくれた素人のしたたかな名優さんたちへの、これは、表題通り、僕の″恋文″です。」