人は疲れる生き物だから

勢いは衰えることなく、あっさり読破。

イン・ザ・プール

イン・ザ・プール

かなり変わり者の医者がいる神経科に来る患者たちの話です。
それぞれ、依存症だとかの心の病気を抱えています。
注射フェチで見るからに怪しく、やっぱり行動もおかしいその医者の、計算なのか偶然なのかわからない治療法で、不思議と病院に足を運んでしまい、救われて行く流れです。
どの患者が抱えている悩みも、現代特有というか、共感できる節があります。
憎めない破天荒な医者と濃いキャラの看護士コンビが絶妙で面白かったです。
個人的なツボは注射フェチ(看護士含)とイラン人でした。



患者たちは、はじめのうちこそ、変わった医者に不信感や嫌悪感を抱くものの、いつの間にか心を許してしまいます。
誰かが認めてくれる、話を聞いてくれるだけでも救われていると。
確かに、話を聞いてくれる人の存在は必要だと思いました。
根本的な問題解決は話したところでどうにもならなくても、気持ちは軽くなります。
私の周りには、そういう人がたくさんいるので、幸せです。



もう一つ、考えたのが「依存」についてです。
人間は、少なからず何かに依存して生きています。
私が依存している率が高い行為を思いつくままに列挙。

1.酒
2.煙草
3.携帯
4.ネット
5.買い物

これだけ見ると、物凄い根暗です。
あながち間違いではないので、否定はしませんが。
だいたい、依存という言葉は実害が及ぶ行為が思い浮かびます。
健康やお金といったように。
その為、盲点がありました。
それは、最近自覚した依存、「小説」です。
常に鞄の中に小説が入っていないと落ち着かないのです。
しかも、未読である小説を。
読み終えた小説は持っていないのと一緒です。
例えば、昼休憩中に、読み終わるとします。
帰りの電車で読む物がない、と思うと不安になります。
そうなると、遠回りしてでも本屋に立ち寄ったりしてしまいます。
たいていは、読み終わりそうなときは、新しい本と2冊持ち歩いています。
よく考えてみたら、携帯を忘れるよりも、本を忘れる方が嫌かもしれません。



また一つ、自分を発見しました。