いざとなれば、裏口の客にでも

最近、テレビを見ても面白いと感じません。
昔は、大のテレビ好きだったのですが。
暇なときは、本を読んでます。
今日読み終わった本。

神様からひと言 (光文社文庫)

神様からひと言 (光文社文庫)

これは、帯の「書店員さんが大絶賛」という文字に惹かれて手に取りました。
背表紙の解説の「サラリーマンに元気をくれる傑作長編小説!」という一文も背中を後押し。



大手広告代理店を辞め、再就職した食品メーカー。
社員は古い会社特有の偏った頭の堅い人たち。
過去のヒット商品の固定客で成り立ち、出る新商品はロクでもない商品。
内部が腐りきった会社のリストラ対象者収容所である「お客様相談室」に送られた主人公。
その「お客様相談室」には一癖も二癖もある社員ばかり。
そして、鳴り止まないクレームの電話。
こんな会社、どこかで聞いたことがあるような。それはさておき、そんな話です。



私の会社には、「お客様相談室」はありません。
クレーム対応の殆どは営業に回ってきます。
私も、今まで様々なクレーム対応を強いられてきました。
自分のミスで生じるクレームなら、仕方ないと割り切れるのですが、クレームの多くは自分の責任ではないところが辛いです。
別に自分が開発したわけでも作っているわけでもないのに、この世で一番悪いような嫌味を言われたり、頭を下げることには未だに馴れません。
中には、明らかに使い方を間違っているのにクレームにしてくる客や、ただ話し相手が欲しいから呼びつける客までいました。
そんな経験を踏まえて読んだこの話には、共感出来る所がたくさんありました。



個性豊かな登場人物と、話のテンポも面白い要因の一つです。
最初は絶望的な面子だった「お客様相談室」も、後半のチームワークの良さは絶品です。
読み終わった後、何とも言えない爽快感に包まれました。
痛快なクレーム対応、嫌な上司に対する仕返しには思わず笑ってしまいました。



これは、ドラマ化したら絶対面白いと思います。