サヨナラ思イ出

昨日の深夜のことです。
急に思い立って、本棚の整理を始めました。
今まで、読んだ本は捨てることなく売ることもなく、本棚に収納されています。
高校生の後半位からずっとなので、いつのまにか結構な量になっていました。
私は、よっぽど気に入った本でない限り、読み返しません。
それでも、手放さなかったのは、売っても大した額にならないし、これだけ読んだという自己満足に浸る為です。
しかし、身辺を整理しようと思っていて、その一環として本の処分を決めたのです。
読み返さないのなら、それは邪魔な物なのだと割り切りました。



こういう機会は滅多にないので、1冊1冊検問しました。
現在から過去へ。
読んだ本は、奥へ行くほど古い思い出です。
大雑把な私は、作者ごとに本を整列したりしません。
例外を除き、読んだ順に押し込んでいました。
昔は、だいぶ偏った本選びをしていました。
お気に入りの作者が数人いて、その人たちの作品のみをひたすら読み続けていました。
しかも、女流作家ばかり恋愛小説ばかり。
学生だったのでお金もなかったらしく、ブックオフの値札シール。
現在に近づくにつれ、作者も多岐に渡り、恋愛小説も減り、新品が多くなっていました。



どうしても、手に取ると拾い読みしてしまいます。
「こんな本読んだことあったっけ?」「この部分の表現好きなんだよね」「この結末はどんなだったっけ?」中々片付きませんでした。
そして、残すか手放すかの選択をするのも一苦労です。
なんとか選別した結果、今現在お気に入り作家の作品、思い出深い本、かなり面白い本だけを残すことにしました。
ついでに、二度と開かないであろう大学のテキストも加えました。
殆どが、教授が執筆したもので、授業でロクに使わないのに買わされていた代物。
一応テキストなので、メモとか、下線とかが書いてないかチェックしましたが、その心配は全くなく、新品同様でした。
保存状態は良好です。



選別した結果、以下の本を売りに出すことにしました。
大学テキスト14冊、漫画21冊、文庫(劣)46冊、文庫(下)27冊、文庫(中)23冊、文庫(上)16冊。
合計147冊です。
文庫は勝手に4つのランク分けをしてみました。


文庫(劣)・・・中古で購入。ややマイナーだったりブックオフ100円コーナー常連の作品、保存状態が悪い作品。
文庫(下)・・・中古で購入。人気作家の小説など、中々100円コーナーに来ないだろう作品。
文庫(中)・・・新品で購入。マイナーな作家の作品や、マニアな作品。
文庫(上)・・・新品で購入。現役で本屋に平積みされている作品や、人気作家の作品。目玉商品に出来る位の作品。


文庫本に関しては、良い作品や話題の作品、新作も多く含まれており、かなりレベルの高いラインナップだと思います。
こんなの売った日には、ブックオフも大喜びなのではないかと、自惚れる程です。
例え、読み返さなかったとはいえ、これは私の読んだコトバの軌跡です。
1冊の本から、何かしらを得ているし、今の私の一部に吸収されているのです。
自分は、本選びに失敗しない方なので、どれも素晴らしい作品ばかり。
違う人にの元へ渡っても、楽しんでもらえることでしょう。



大きな紙袋3つをブックオフのカウンターに差し出します。
それで鑑定してもらうのですが、結構恥ずかしいものです。
本の趣味がわかってしまいそうなので。
そして、明らかに浮いているテキスト。
思い過ごしでしょうけど、気になります。
そして、鑑定終了。



買取130冊。合計3,010円也。
覚悟はしていましたが、安いです。
これでは、文庫本4冊買えません。
しかし、放置していればただの部屋を占領する障害物です。
ここは割り切る他ありません。
皮肉なことに、単価の高いテキストが一番高く売れました。
到底書い手は見付からないと思うので、ブックオフ不良債権を買い取ってしまったようなものです。
ご愁傷様です。