距離なんか自由自在だって燃えている

私が買い物をするときにはいくつかの基準があります。



①生きていく為に必要な物
衣類、食べ物、酒、化粧品やコンタクト等の消耗品 等

②なくても死にはしないけれど必要な物
本、音楽 等

③完全なる嗜好品
煙草、お菓子 等

④実用性は皆無に等しいけれど持っているだけで幸せな物
インテリア雑貨、表紙が素敵な雑誌、絵本、画集 等



本日は最近ハマっている④についてご紹介します。
その名も「画ニメ」。
画ニメとは、東映アニメーション株式会社が設立した、静止画と画面効果、音楽、音声で構成する新しいタイプの映像コンテンツです。
少し違うかもしれませんが、「現代版紙芝居」みたいな物です。
たまたま、お気に入りの本屋に並んでいて、何か惹かれる物があって衝動買いしてしまいました。
しかも2作品。



これは、ジャケットが格好良かったので手に取りました。
この作品のテーマにも惹かれました。以下、引用文です。


世界各地で起こっている紛争やテロの中で生きている人々の人生観が、架空の未来空間で表現される「Highway Jenny」。
ミュージックビデオ界の鬼才、福士昌明と、ブランキー・ジェット・シティに始まり日本のロックを牽引し続ける浅井健一によって作られた映像とロックが融合した「画ニメ」作品です。
生命というものを生前と死後とで比較し、これからの世代に生と死を考えてもらい、そして自分の人生における選択の重要性を、観る人に訴えます。


静止画ではないだろう、と突っ込む間もないスピード感。
音楽はもちろん格好良いです。
少しばかり抽象的です。
それでも、いいのです。
戦争に駆り出されて、ライフルを持つJenny。
退屈そうで諦めた顔の若者が一瞬見せる狂気の表情が印象的でした。
エンドロールの部分が個人的にはお気に入りです。



もう一つの作品はこちらです。

舞姫 [DVD]

舞姫 [DVD]

これは、かの有名な森鴎外の作品を画ニメ化した作品です。
古屋あきさの描くイラストが綺麗だったので購入しました。



この話は高校の教科書に掲載されていて、とても印象に残っていました。
当時の印象が「エリートでマザコンで優柔不断な主人公が、若くて美しいドイツ人の少女を妊娠させた上に発狂させて捨てる、自己中心的物語」でした。
綺麗な言葉で言えば「悲恋物語」ですが、どう考えても、酷い話です。
更に、主人公は「自分の弱い心が・・・」とか「友人の薦めで断りきれず・・・」とか「大臣の言葉は否とは言わせない空気で・・・」などと、言い訳がましいです。
挙句の果てに、世話になった友人に責任転嫁するような節で締めくくられています。
そんな、嫌な意味で印象に残ってしまった作品でした。



高校生だった当時は、あまり本も読んでいませんでしたし、国語の授業も好きではありませんでした。
しかし、今になって触れてみると、とても綺麗な言葉や言い回しが多いことに気付かされます。
さすが、日本の文豪だと感心しました。
機会があれば、その時代の作品を読むのも悪くないかもしれません。
映像も、とても綺麗です。
全体的に憂いを含んだ世界観がぴったりです。
主人公のイメージは相変わらず最悪でしたが。
高校の国語教師は「踊り子って言っても、バレリーナみたいなのではなく、今で言うストリッパーみたいなやつだよ」と言っていましたが、映像ではバレリーナ風踊り子でした。
そういえば、「発狂」という言葉は、この作品ではじめて知った気がします。



他にも作品があるので、細々と集めようと思っています。