いかくん

一人暮らしをはじめて約1ヶ月経ちました。
生活に必要な物も揃い、この部屋での過ごし方にも慣れて来ました。



一応、まだ自炊はしています。
仕事がはじまって、毎日自炊は無理だと早くも悟りましたが。
当初は料理の仕方すらわからず、お米を洗剤で洗ったり、ゆで玉子作ろうとしてそのまま電子レンジに入れて爆発させたり、なんてことはしていません。
これでも二十数年生きて来たので、最低限のことはします。
しかし、レパートリーと軍資金が少ないので、早くも行き詰まってきました。



今は、食材から想像して料理を作っています。
レシピなんて最初から存在しないのです。
全ての料理は食材が教えてくれるのです。
凄い事を言っているようですけれど、単にレシピを見て作るのが億劫なだけです。
料理本は1冊買いましたが、あくまで参考にするだけです。
几帳面に材料の重さを量って作るなんて技は私には出来ません。
例えば、「鶏肉 200g」の材料が必要だったとします。
ここにあるのは235gの鶏肉。
そうなると、235g入れてやれってことになり、調味料の量も微妙に狂って行くという悪循環。
これは大雑把な性格が織り成す迷宮。
レシピでは、使う食材とだいたいの順序を参考にする程度にしています。
よく言えば、自己流にアレンジしていて、悪く言えば適当に作っています。
物は言いようです。
私の創作料理は、当たりもあればはずれもあります。
徐々に当たりを増やしていけば、料理の達人ということで、長い目で見ています。



今日は、イカと格闘しました。
魚介類のレパートリーが特に乏しいので、今のうちに挑戦してみようと。
会社の人に、「イカは良いよ。足引っ張って腸取って、筋抜いて切り刻んで冷凍保存するの。炒め物にも煮物にもすぐ使えて便利だよ。」と、イカの便利さを説かれてその気になりました。
魚を三枚におろすのは無理でも、それなら出来そうです。
たまたま、スーパーで生のイカ2杯が安く売っていたので、意気揚々と購入しました。
イカに睨まれながら、加工開始。
ゲソを引っ張ってみるも、腸が出て来ません。
話が違います。
挙句の果てに、目の上辺りから千切れました。
茶色い腸が溢れ出す。
私の想像ではキレイに腸が取れて、スマートに輪切り出来るはずだったのですが、目の前に広がるのはちょっとしたスプリッター系のホラーです。
か弱い女の子は「イカの目が怖いキモい」なんて言って加工出来ない所ですが、私は食材確保に必死なのでそんなことを言っている余裕はないのです。
イカを加工出来ない奴にイカ料理を食べる資格はない、とよくわからない使命感に燃えて手術しました。



格闘すること30分強、2杯とも見事に腸切除手術成功です。
輪切りにしたかったのですが、切腹せざるを得なくなったので断念してしまいましたが、その他は概ね満足です。
戦利品を適当に調理しました。
イカの酒蒸し風醤油炒め」それっぽい名称を付けてみました。
意外に美味しかったです。
ビールとの相性抜群でした。
こうして人は成長するのでしょう。



今度は魚をさばいてみようかと思います。
しかし、地元で開催されていた「訳アリ大市場」で購入した怪しい包丁は切りにくいです。
もっと高い包丁にすれば良かったです。