超能力を夢見るのは、自分の無力さを思い知らされたときだ

今年は読書量が少ないです。
もう少し、ゆっくり本を読める時間が欲しい今日この頃。

パートタイム・パートナー (光文社文庫)

パートタイム・パートナー (光文社文庫)

この話は、「デート屋」のお話です。
「デート屋」は、ホストとは違います。
本文を引用しますと、「使用料を払えばお好み次第で呼び出せる、いてほしいときだけいてくれて、甘い気分と優しい言葉をくれて、妊娠や性病やストーカーとかの心配のないバーチャル・ロマンスの相手」です。
しかし、新手の商売には困難がつき物で、主人公も相当痛い目に遭わされます。
それでも、天職と知ったからには、頑張るのです。
めげずに一生懸命、あくまでもお人好し、そんな主人公を応援したくなると同時に、成長する様が楽しめます。



この話の中で度々出てきたこと。
「大人になったら何になりたい?」
主人公は「サラリーマン」と答え、つまらない子扱いされました。
そして、本当は「大人になりたい」と思っていました。
つい、自分も考えてしまいました。



もう20代の折り返し地点。
一般的に言う「大人」です。
小さい頃から見た「将来」というやつです。
私の夢は何だったのでしょうか。



幼稚園の頃は「ことり屋さん」になりたかったです。
他の子は「ケーキ屋さん」とか「お嫁さん」とか「看護婦さん」のように可愛げある物だったのに、なぜか「ことり屋さん」でした。
家でインコを飼っていて、大好きだったようです。
「ペット屋さん」ではない所あたりが、相当マニアックです。



小学生前半は「漫画家」でした。
絵を描くのが大好きだったので。
しかし、好きだからと言って上手いとは限りません。
現実を薄々感じ始めます。
そして辿りついた小学生後半は「小説家」です。
作文を書くのも、話を作るのも大好きだったからです。
まだ、夢があった時代です。



中学生ともなると、現実的になります。
親の希望で「薬剤師」でした。
それは、高校1年生位まで続きます。
しかし、化学の授業で自分史上最低点数を記録した為、断念しました。



その後は「考古学者」です。
エジプトとか、遺跡とか大好きだったので。
何より、インディジョーンズの映画で憧れました。
それでも、世界史の授業は嫌いだったのでまた断念することに。



そして、大学受験を考える頃に差し掛かります。
さすがに、非現実的なことは考えられません。
高齢化社会ということもあり祖父の介護があったりと、ぼんやり福祉を意識するようになります。
そして、大学では福祉を学ぶことになりました。



大学では、就職活動が始まるまで現実から目を逸らします。
いざ、始まると就職氷河期の真っ只中。
志望動機もやりたい仕事も曖昧なまま、現実の厳しさを知ります。
その当時の夢は「どこでも良いから就職」でした。



何とか、福祉関係の企業に拾ってもらい、営業をやる羽目になります。
小さい頃、一番魅力を感じなかった「サラリーマン」というやつです。
しかし、薄々はこうやって平凡な人になることは感じていました。
少し違うのは「無難な事務職」ではなく「ばりばり営業職」ということ位です。



それからは、ご存知の通り転職。
その辺も少し予想外ではありました。
転職先を探すときは「営業希望」、ある意味それが将来の夢でした。
念願叶い、今に至ります。
もっとも、今は営業兼、受発注担当兼、社長秘書兼、商品開発兼、入力業務兼、商品配送みたいな何でもありな感じですけれど。
少しずつ、将来の夢は現状を元に補正されて行きます。
平凡は平凡なりに色々あって、それでも悪くはないと思えます。