「忘れる」というオプション

友達から借りた本です。

失恋 (新潮文庫)

失恋 (新潮文庫)

様々な失恋の形が描かれている短編集です。
思えば、恋愛小説を読むのはとても久し振りです。
昔は、女流作家の恋愛小説を読み漁っていましたが、最近は嗜好が変わってきています。
恋愛小説は、書き手が男性か女性というだけで視点がガラリと変わるので、ある意味興味深かったりします。
女流作家が書く、男性が主人公の恋愛小説は割りと好きです。



当たり前のことですが、人の数だけ恋はあって、失恋があるものです。
この小説はその中のほんの一部を切り取ったものです。
4編の話がありますが、「記憶」と「遅刻」が気に入りました。
「記憶」で、主人公はどうしようもないけど憎めないダメ男に惹かれて尽くしてしまいます。
そんな中、彼女は「頭には『忘れる』というオプションがある」と考えます。
確かに、人の頭は不便且つ便利です。
そんな人間の便利な機能を実感する本についても言及したい所ですが、長くなりそうなので、別の機会に。
小池真理子の解説も、一つの小説みたいでした。