刹那

給料が入ったら、自分にご褒美を。
そんなことを月の半ばまで繰り返せば貧乏にもなるのも納得。
何回ご褒美をあげれば気が済むのでしょうか。
それはさておき、写真展に行って参りました。
アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌



アンリ・カルティエ=ブレッソンとは、フランスの写真家です。
よく耳にする「決定的瞬間」という言葉。
その言葉は、彼の写真を指したことから広く使われるようになったとか。
戦後47年にロバート・キャパらと写真家集団マグナム・フォトを結成したりと、有名な人のようです。
正直、写真はよくわかりません。
ただ、美術館に行きたかっただけです。
今開催している展示会の中で1番興味を惹かれたから行っただけの話です。
静かで洗練された空間。
頭の中がこんがらがっているとき、疲れたとき、何も考えたくないときには、この場所に行きたくなります。
少額なりにも、お金を払って見るという贅沢。
こういった楽しみを見付けられたのは、社会人になってからのことです。
その辺の余裕は、いつまでも持っていたいものです。



美術館には朝一番で行くに限ります。
人が少ないので、ゆっくり鑑賞できます。
入場券を購入しようと並んでいたら、前に並んでいた人から割引券を頂くという幸運。
世の中捨てたものじゃない、それだけでも来た甲斐がありました。
展示会は、人もまばらで、自分のペースで鑑賞することが出来ました。



評判通り、様々な瞬間が切り取られていました。
モノクロなのに、色が見える。
何気ない風景が、一枚の絵画に変わる。
カタログも凄くセンスが良かったので衝動買いしてしまいました。
展示会では、ほぼ毎回カタログを購入していますが、これはお気に入りランキング上位に入るレベルです。



写真は、誰が撮っても素敵な作品になると思っています。
流れる時間は止められないから、その一瞬はもう二度とないから、そこに写る瞬間は奇跡だから。
どんなに下手くそな技術でも、その刹那を捉えた作品は美しいと思います。
それを、芸術という観点で見るのがプロと素人の違いなのではないでしょうか。
本当、写真は素敵な発明品です。



社会人になってからは、写真を撮ることが少なくなりました。
たまには、眠ったままのカメラを起こそうか。