私が一人で立っていたときと、違う景色の場所に見える

丁度読みたいと思っていたときに貰った本。

間宮兄弟 （小学館文庫） [ 江國香織 ]

小説よりも映画を先に知ってしまった作品です。
そういう作品は、どうしても映画のキャストがイメージの中で演技をしています。
確か、「東京タワー （新潮文庫） [ 江國香織 ]」もそうでした。

江國香織の作品にしては珍しい、男性が主人公の話です。
しかも、兄弟で三十路を過ぎていて、年齢＝彼女いない歴で。
それでも、仲良く楽しくマイペースで生きている兄弟。
マイペースと言えば、江國香織お得意なのですが、それが男性となると話は違ってきます。
彼女の描くマイペースな女性は、憧れてしまう女性像でもあるのです。
そして、彼女が望まなくても周りが放っては置かないのです。
しかし、間宮兄弟となると、ひたすら痛い。
とにかく痛い。
それでも、少しだけ共感出来たり、羨ましく思ったり出来るのは江國節ならではです。
しかし、実際にそんな兄弟がいたとしたら痛い。
この世の中は、不公平なものなのです。