騙されたと思っても

息抜きに読みました。

一夜の櫛 (新潮文庫)

一夜の櫛 (新潮文庫)

くどい程に紹介しています、大好きな「恋文 (新潮文庫)」と同じ作家、同じ短編。
古本屋の100円コーナーにあったので買いました。
「恋文」も古めかしい感じでしたが、こちらも相当な。
この本を見ていたとき、隣に「恋文」も並んでいました。
こんな名作が100円て。
まったく、見る目のない古本屋だと少々立腹でした。



さて、こちらが本題。

Fake (幻冬舎文庫)

Fake (幻冬舎文庫)

最近、人から薦められた本をよく読みます。
薦めるくらいだから、外れることはないし、普段手に取ることはないであろう作品と出会うことが出来るのです。
この本も、取引先の読書家さんからの推薦です。
その人から、定期的に「面白かった本情報」がメールで送られて来るのが密かな楽しみです。



確かに面白かったです。
今年3作目の興奮でした。
もっと言うと、本を読んでいてこんなに緊張したのは初めてです。
口から心臓が飛び出そうな程にドキドキしました。
ミステリー小説を読むときも確かにドキドキします。
しかし、それはあくまで読み手として安全な場所から成り行きを見守っている感じです。
この作品は、まるで自分がその場にいて、主人公たち仲間の一員にでもなった気分になるような臨場感溢れるドキドキとでも言いましょうか。
話のメインは10億円を賭けたイカサマポーカー勝負です。
その勝負の場面の前に、あまりにも緊張し過ぎてトイレに行く始末でした。



どういうオチになるのか、頭はフル回転。
勝負の場面は、読むのを放棄したくなる程の緊張です。
よく、アクション映画とかである「危なっかしくて観てられない」みたいな心境でした。
しかし、映像とは違い、文字を追わないと進めないのが辛いところ。
途中、何回トイレに駆け込んだことか。



刺激が欲しい人にはお勧めの作品です。
決して、この興奮は「Fake」ではありません。