裸体を晒されて

昨日、久々に美術館に出掛けました。
外を歩くのが気持ち良いこんな日には、ぴったりです。
前から楽しみにしていた「ウルビーノのヴィーナス」の為に上野へ。
古代神話の類が大好きで、この企画を知ったときから行くことを決めていました。
古代神話の神々は、妙に人間臭くて、自分の欲望に忠実で、好き勝手し放題なところが好きなのです。



こちらのメインは、ティツィアーノ作「ウルビーノのヴィーナス」。
多分、実物をウフィツィ美術館で見たはずですが、全く記憶に残ってません。
イタリアの美術館は、凄い作品が多過ぎて、傑作も一つの作品に過ぎません。
日本に来れば主役を張れる名画なのに、それも不思議な話です。



上野は人で溢れていました。
行ったのは3時頃なので、ピークだったのかもしれません。
かなり後悔しました。
朝一番で行けば良かった。
混んでいる美術館は嫌いです。
どうしても、ひそひそ話が気になってしまいます。
本人はひそひそしているつもりでも、それが10組いれば、立派な雑音。
良い天気で、しかも土曜日の一番混む時間帯に行った私が馬鹿でした。



展示会は、知識の乏しい私でも楽しめました。
愛と美の女神たちは、とても麗しかったです。
絵画だけでなく、カメオや像もありました。
何人もの観衆に裸体を晒すヴィーナスは、心なしか少し恥ずかしそうでした。
そして、メインの「ウルビーノのヴィーナス」は、圧巻でした。
どの角度から見ても、あの妖艶な瞳に見つめられているようで。
美しい絵は、見ているだけで幸せです。
他にも、心揺さぶられる作品がたくさんあって、大満足の展示会でした。



美術館では、駆け引きが重要です。
鑑賞ペースは人それぞれですが、微妙に同じタイミングで進む人がいます。
抜きつ抜かれつ。
若干、気まずいです。
そして、同じペースの人が煩かったり、うんちく家だたったりすると厄介です。
なるべく距離を置こうとするのですが、なぜか同じ絵の前で遭遇してしまうんです。
今回もいました、要注意人物が。
天然を装ったカップル。
男「この絵、言ってしまえばしりあがり寿の絵に似ているよね」
お願いだからそんな発言止めて。
もう、しりあがり寿の絵にしか見えなくなってしまいました。