毒ですが

このシリーズの楽しみ方。
小説を読んで、想像して楽しむ。
実際の映像を観て、眼で楽しむ。
天使と悪魔 オリジナル・サウンドトラック
絶対に、小説を読んでからでないと楽しみは半減以下になります。
小説を読んで、実際の建造物や美術品を観たくなった人の為の映画だと思っています。
ダヴィンチ・コード」のときは、少し物足りない感がありましたが。
CGで、最後の晩餐の映像を動かしたシーンのみに感心したという記憶があります。
今作は如何でしょうか。



正直、裏切られました。
長編小説を2時間でまとめようとするのは無理があると、重々承知のつもりではいました。
初っ端から上巻の半分をすっ飛ばしたとしても、設定が多少違っていたとしても、百歩譲って仕方ない。
要は、ベルニーニの彫刻がよく見たいんだ、美しい教会が見たいんだ。
たったそれだけだったのに。



ここではあまり酷評しない主義ですが、敢て言わせて頂きます。
がっかりです。
時間がないとはいえ、大筋の内容を軽くなぞっただけの作品となっていました。
あまりにもあっさりと謎を解き真相に近づき、登場人物に感情移入する隙を与えずに、終わってしまいました。
もう少し美術品に解説を与えて、もっと映して、そんな声は届かず。
小説では、あんなに興奮したというのにアンビグラムが生かされていないし。
余計な部分よりも、物語を楽しむ重要な物までそぎ落としてしまった感じです。
小説では、ラングドン教授が身体を張ってアクションシーンを数々こなしていましたが、映画ではやや大人しい。
トム・ハンクスももう歳だし、小説さながらのアクションは辛いのだと見ました。



小説を読んだ人は物足りないでしょうし、読んでいない人には微妙な作品として映るのではないでしょうか。
小説読んで、ネットでその場所や彫刻を検索するのが正解だったようです。
唯一、視覚で確認出来て良かったと思ったのが、バチカンの資料館。
それ以外に思い付きませんでした。