日本美の華

芸術の秋、とでも言っておきましょう。
上野に参上するのは久しぶりです。
約1ヶ月前、駅でこの展示会を知ったときから、ここに来ることは知っていました。


皇室の名宝


皇室のお宝と言えば、伊藤若冲の「動植綵絵」。
もしかして公開されるのかしら。
ポスターにはあの鶏。
作品の一部でも拝めるなんて、嬉しいこと。
その後、調べてみたところ三十幅全て公開されるそうで。
遥々京都まで追い掛けて、感動のご対面から約2年。
そのときは、もう二度と見られないかもと思いましたが、こんなに早く再会出来るとは。
生きてて良かった。



満を持して、9時過ぎに上野到着。
9時半開場の直前だったのですが、長蛇の列に気が遠くなりました。
会期がたった1ヶ月なので、ある程度は予測してましたが。
京都でも2時間並んだし。



展示会は、教科書で見た美術品満載でした。
絵画の他にも、豪華絢爛な壷とか、こんなにお宝あったんですね。
お目当ての伊藤若冲は、他の展示会場よりも圧倒的に人でごった返していました。
2年前も観た筈なのに、作品群を目の前に、またしても鳥肌。
いや、鶏肌。
また、会えたんだ。
あの綿密で精巧な作品を目の前にしたら、間近で一作品ずつじっくりと堪能したくなるのだから仕方ありません。
羽根の1枚1枚が丹念に描かれている、執念以外の何だというのか。
今にも動き出しそうな、躍動感。
果てしなくセンスが良い構図と色彩感覚。
完璧に凛々しく、時にはユーモラスに。
何世紀も前に描かれたのに、全く色褪せることのない作品。
今回初めて観た「旭日鳳凰図」も迫力満点で素晴らしかったです。



私は、よく美術館を訪れますが、専門的な知識は皆無です。
「美しい」とか「迫力がある」とか、そんなこと位しか感想は出て来ません。
しかし、それでも良いと思うのです。
私をそこに向かわせるのに、それ以上の感想があるのでしょうか。
日本画が古臭いだなんて言わせない。
こんなに新鮮で長持ちな作品、他に見たことありません。
出来ることなら、生きてるうちにもう一度見たい。
やっぱり京都の相国寺承天閣美術館で、釈迦三尊像と共に。