自殺しちゃいけねえ理由なんて、知らねえよ、ばーか

いつの間にか、三冊も読了していました。
まずはこの一冊。

終末のフール (集英社文庫)

文庫化してから、早く読みたくて古本屋に行っては、本棚に列んでいないかチェックしていました。
年末、ようやく出会えました。
８年後に隕石が激突すると発表された５年後の話。
まず、この設定にわくわくしてしまう。
余命３年と宣告された人々。
激突が発表されたときでもなく、激突する場面でもなく、この絶妙な期間というのがいい。

やっぱり、良かった。
派手じゃないけれど、ほくほくと、満足させてくれます。
吉野仁による解説、最後の４行もこれまた上手いこと言ってます。

この作品を読むと、そんな状況になったら自分はどうするのだろうと考えずにはいられません。
やみくもに逃げる、略奪しちゃう、先に自殺してみる、普段と変わらない生活を続ける。
多分、何も出来ないのではないかと。
そういう場面は否応なしに人間の脆さは浮き立ちます。
いつかは必ず死ぬとわかっているのに、勝手にリミットを決められてしまうと、悔しくて自棄になる。
そんな動物って人間だけです。

そういえば、ノストラダムスが予言した恐怖の大王が来るという日に、家族揃って河原に避難したと言う友達がいました。
驚くことに、その親も本気だったとか。
それ、実話らしいです。
信じる者は救われる世の中であって欲しいと思います。

残り２冊は別の日に。