じょっぱり魂

ベトナム旅行備忘録はひとまず置いておいて。
帰国後、すぐに青森に行って来ました。
父親の実家です。
私は、津軽の血が流れていたのです。
父は二年に一度帰省しています。
昔は、家族旅行も兼ねて母も姉も私も着いて行きました。
しかし、最近はそれもなくなり、私に至っては約10年ぶりです。
祖母は92歳になりますし、やっぱり会いたい。
上手い具合に有給が取れたので、ベトナムの次は青森に行ってしまえ。



新幹線と特急を乗り継いで4時間。
辿り着いた本州最北の地は暑かったです。
10年ぶりに見る青森の駅は開発が進んで、私の記憶とは違った風景でした。
しかし、電車を降りた途端に響く「ねぶた祭」のお囃子は以前と変わらぬまま。
そのお囃子を聞くと血が騒ぐのも以前と変わらぬままです。
津軽弁訛りは、何とも耳に心地よい。



さすがに、今年は異常気象だそうで。
青森の一般家庭には冷房はありません。
祖母の家は、かなり暑かったです。
毛皮を纏った猫も辛そうでした。
祖母は、思ったよりも元気でした。
10年ぶりにひょっこり現れた孫のことを認識していたかは微妙な所でしたが。



この時期に帰るのは、もちろん「ねぶた祭」があるからです。
子どもの頃から見ていましたが、何度見ても凄いと思います。
大人になった今でも、その興奮は変わらない。
あの力強くそれでいて美しい、精密な芸術品「ねぶた」は日本人にしか作れないと思います。
そして、それを盛り上げるお囃子とハネト。
お馴染み「ラッセラー、ラッセラー」という掛け声と共に、津軽の魂が縦横無尽に跳ね踊る。
この熱気を浴びて、私は帰って来たのだと思います。
日本人で良かったと、思います。
今年は、青森市内の有名なねぶたの他に、五所川原の「立佞武多」にも行って来ました。
高さ22メートル以上、これもまた迫力があって綺麗でした。



せっかくの青森なので、観光も。
父にどこに行きたいか尋ねられ、考えた末「恐山がいい」と答えました。
あまり記憶が定かではありませんが、奥入瀬も、八甲田山も、十和田湖も幼少の頃に行っていたので。
弘前にも10年前に行きました。
そこで、残ったのは恐山。
祖母と一緒に暮らしている叔母に「なぜそんな所に?」と言われました。
「流行のパワースポットに行ってみたくて」と答えたところ、「ありゃ、パワースポットでなくて、心霊スポットだよ」と。
勘違いしてしまいました。
ともあれ、レンタカーを借りて恐山へ。
意外と観光客が少なく、神秘的な感じで良かったです。
地獄と極楽、積み重なった石には、無数の故人への想いが込められていることでしょう。



たった二泊三日の帰省でしたが、行って良かったです。
私の田舎は、ここしか残されていないから。
また、再来年も訪問したいです。
今度こそ、ハネトになってやる。