陽炎

夏が、どっか行った。
気付いたら始まっていて。
眩しくて目を細めていたら、いつのまにか去って行った。
胃の奥がキリキリと冷え切るような、冬がもうすぐやって来る。



嬉しくて、愉しくて、裸足で駆け回った。
気が付けば、足は血だらけ。
ファインダーから見たこの足は、滑稽だったのかな。
寒くなったから、靴を履こう。



誰が悪いとか、誰が被害者とか、答えがないもの。
ハッキリしなくてそれが気持ち悪ければ、自分が加害者になった方が楽かもね。
うん、とても解りやすい。



季節みたいに、簡単には変われない。
少なくとも私は、一度も変われたことがないよ。
約束は、いくつ果たせたのだろうか。