ミニちゃぶ台の必要性について。

福造は、うんざりした。
女という生き物は、複雑なようで単純、面倒臭くて極まりない。
それは、今も昔も変わらぬ真理らしい。
その日は、風は冷たいが、快晴。
相棒の愛する空模様だ。
当然、どこかに出掛けるつもりらしい。
朝から妙に浮き足立っている。
福造も、何となくその訳がわかる。
「公園か?」と問えば「ですよ」と微笑む。
単純である。



暫くして、相棒は急にテンションが下がる。
そのまま連れて行かれた場所は恵比寿である。
「公園はどうした」とは聞かない。
半年の付き合いだ。
だいたいの予想はつく。
こういうときの彼女の行動源は、「気まぐれ」もしくは「やさぐれ」。
嫌味を言えば、逆ギレした相棒はシャッターを押してくれないのだ。



写真の展示会を鑑賞して、相棒は幾分か機嫌が良くなった。
「福造であんな写真撮れるかなぁ」と悠長なことを言っている。
それから、恵比寿を散歩して、インド料理屋に行く。
相棒は、営業職なだけあって「御一人様」に物怖じはしない。
辛いカレーをがっつり食べている。
ランチドリンクをビールに変更している辺りは、逞しいとさえ思う。

いつのまにか、相棒は嬉しそうな顔をしている。
「今から、公園行こうか」
素晴らしい写真に感化されたのか、空腹が満たされたからか、アルコールが入ったからか、機嫌はすっかり元通り。
福造は、その理由をちゃんと知っている。
そこに触れないのが、翁の計らいだ。
「移動は面倒だが、行っても構わんよ」と嫌味混じりに返すのも、翁の優しさである。
全く以って、面倒臭い。

*   *   *   *   *

正月休み気分が抜けません。
でも、このタイミングの3連休は有難いものです。
東京都心から端まで。
行動範囲が広いのも、連休のおかげ。
恵比寿には、素敵な美術館があるのですよ。
詳細は後述。
その日は、風が冷たかった。

でも、カレーは美味しかった。
女子トーク中を失礼しました。



飛んで、井之頭公園
最近は、公園巡りを趣味にしています。
ずっと目を付けていて、行きたかった場所。
前に行ったのは、いつだったっけか。
活気のある公園は、居て愉しい。
たくさん写真を撮りました。

鴨に餌やる老夫婦。
こういう方々を見ると、ついシャッターを押してしまうのです。

その、数十年前はこんなだったのかな。

この日に撮った写真で一番しっくりきた構図。

陽が沈む直前。
ジンクスに負けず、ボート挑戦者は多かったみたい。

一番のほっこりショット。
ぎゅうぎゅう詰めです。

そんなこんなで、楽しかった真冬の日。