親と子、少しだけ孫

まだ引っ張る、青森旅行記
2泊3日の滞在で、最初の2日間はねぶたと奥入瀬を堪能。
3日目は、帰るだけなのでのんびり。
早朝に、合浦公園を散歩。
そこは、小さな海水浴場があります。
小さい頃は、必ず泳ぎに行っていた記憶があります。



新幹線の時間までは、祖母の家で寛いでいました。
すると、「ごめんくださ〜い。ブーちゃんと遊ばせてください」子どもの声。
隣に住む、ノドカちゃんとそのお友達のカコちゃん。
ブーちゃんとは、祖母の飼い猫。
人見知りの激しいデブ猫です。
普通に、近所の家を行き来するのって、なんかいいな。



心底迷惑そうなブーちゃんを、猫じゃらしで手懐けようと必死。
二人とも礼儀正しくて、可愛かったから写真を撮らせてもらいました。

それから、家の中で追いかけっこが始まる。
「カメラのお姉さん、シャッターチャンスですよぉ!!」と呼んでくれるので、私も加わる。
捕獲されたブーちゃん。



ブーちゃん、屋外に逃走。
車の下で籠城することにしたらしい。
子どもたちは、諦めて帰って行きました。
一緒に遊んでくれてありがとう。
完全に、人間不信に陥っているブーちゃん。
ごめんよ。



そろそろ、駅に向かうというとき。
私は緊張していました。
祖母と父と叔母の写真を撮らせてもらいたかったのですが、ずっと言うタイミングがなくて。
そもそも、祖母とは昔から殆ど話した記憶がありません。
遠くに住んでいることもあり、遊びに行くのは2年に1回。
人見知りの激しかった私は、いつも父か母の後ろに隠れていました。
祖母には、近くに住む孫もいたし。
周りにも気を遣えるようになった高校から大学、社会人のときには青森に行かなかった。
10年程遠ざかっていたのです。
それが尾を引いて今に至る。
いつのまにか、祖母も94歳。
介護なしには生活出来ないし、意識もしっかりしているとは言い難い。
多分、私のことは誰だかわかっていない。
それが悲しくて、あまり話し掛けることが出来ませんでした。



私は、父親と同じ趣味のカメラを始めた。
それも何かの縁。
「この歳になって」と思われるかもしれないけど、親子の写真があったら嬉しいんじゃないかな、と思った。
正直、祖母と会える機会は僅かしか残されていない。
恐る恐る申し出る。
反応が怖いのと、恥ずかしいのとで、涙目である。



心配虚しく、あっさりと了承してもらえました。
祖母も、理解しているのかどうなのか、カメラを構える私を正面から見つめてくれていた。
福造を三脚に取り付けて、慎重にシャッターを押す。
今度は、父と叔母にも入ってもらう。
逆光になっていたから、やや自信がない。
一応、デジタルでも数枚。
手が震えてしまいました。
滞在中、ずっと無表情だった祖母が微笑んでいるような気がした。

次に行くのも、多分2年後。
元気でいてください。
また、写真を撮らせてもらいたいから。