花のある生活

福造は、溶けるかと思った。
梅雨明けして、快晴の東京。
暑くない訳がない。
それなのに、のんびり起床してぐうたら準備し、昼間の一番暑い時間に外出する相棒。
こいつは阿呆である。
案の定、相棒と福造はフライパンの上で焼かれる。
相棒は辛そうに「福造を構えると火傷する」と弱音を吐く。
知るか、自業自得だ。


*   *   *   *   *



この暑い中、無謀にもカメラ散歩して参りました。
入谷の朝顔市。
道いっぱいに広がる朝顔の露店。
活気ある売り子さんたち。

あまりにも暑くて、ガソリンを投入しなければやっていられません。
出店もたくさん出ていたので、持ち歩きやすいコロナビールを片手に写真を撮りました。



朝顔の露店を冷かしているうちに、購買意欲が湧いてきました。
記念に一鉢、お持ち帰りしようかしら。
部屋に植物はたくさんいます。
みんな、花の咲かない観葉植物。
花が咲いているときは良いけれど、散った後が悲しいから。
しかし、たまには良いかもしれないと思ったのです。



さて、たくさんある露店。
どこのお店で購入しようか。
花の善し悪しとかわからないし。
結局、売り子さんで決めました。
写真を撮っていると、良い顔をしない人も多数。
どう見ても冷やかしだし、当然。
とあるお店で撮影しようとしたら「撮影NG」と張り紙。
しまった、と思いカメラを下ろしたら、店のおばさんが「いいのよ、撮って」と。
マナーを守らないカメラマンがいたらしく、それで張り紙をしていたとか。
気持ちよく撮らせてもらえた御礼に、このお店で買うことにしました。
ノリの良いおばさんで、調子に乗った私。
「お母さん、1枚撮らせて」
照れながらも、素敵な笑顔を下さいました。



そんな訳で、我が部屋の新しい住人。
おばさんのお勧めで、「団十郎朝顔」を購入。
二代目市川團十郎が、歌舞伎十八番の内「暫」で用いた衣装の色が海老茶色であったことにちなんでつけられた名前とか。
水やりは毎日。
秋まで花を咲かせてくれるそうです。
毎朝、15分早起きせねば。