留学生

福造は呆れた。
相棒のカメラが、どんどん増殖している。
使う身体は一つしかないのに、どうするつもりか。
京都では、何やら大きい図体のカメラを留学生をとして迎えていた。
旅の道すがら、カメラを3台も持ち歩く相棒は阿呆以外の何物でもない。
更に、その大きい図体の奴がきっかけで、新たなカメラまで譲ってもらっている。
しかも、福造の後輩である。
福造も後輩たちに負けてはいられない。
本気を出して、目で見るよりも綺麗な光景を見せつけてやろう。
ほら、相棒はため息を付いている。
爺を侮るな。

*   *   *   *   *

福造が呆れるのもわかります。
でも、色々なカメラを使ってみたいのです。
先日の京都旅行で、カメラ仲間さんに憧れの中判カメラをお借りしました。
その名も「Zenza Bronica EC-TL」。
中判なら、Rolleiの二眼をと考えていたのですが、ブロニカで素晴らしい写真を撮る方が周りにたくさんいるので、気になっていたのです。
ていうか、使いたいと。
こちらが、留学生のブロニカ

かなり大きく、とても重いです。
真四角の窓から見える正反対に動くセカイ。
ピントが合ったときの快感。
そして、いかにも撮りましたっていう感じの「グワッシャーン」というシャッター音。
そして、独特の描写力。
写真を撮っていて、楽しくて仕方ない。



こんな写真が撮れます。
舞妓さんにお願いして撮らせてもらいました。

涼。

光線かぶりしてしまいましたが。
建物を撮るにも良いです。

スナップも良い感じです。
お腹あたりで構えるので、自然に撮れるのです。

ただ、まだまだ使いこなすには至っていません。
絞りを間違えたり、ASAの設定怠ったり、ピント合っていなかったり、引き蓋抜くの忘れていたり。
殆ど凡ミスなのですが、それが中々直りません。



それから、実家でブロニカの練習がてらに姪子を撮影していたところ。
近所のおじさんが「あ、ブロニカ。凄いの持っているね」と話し掛けて来ました。
どうやら、元カメラ小僧らしい。
色々話をしているうちに、自慢のライカM3を見せてもらったりしました。
そして、35mmのメインが福造だということを言うと。
「これ、使っていいよ」と頂いたのがこちら。

Nikon FEです。

しかも、とあるツテから入手した改造機種だそうです。
私にはよく解りませんが、内部がNikon FE2の部品とかを使っているみたいです。

長い間使われていなかったので、ちゃんと動くかどうか。
昨日試し撮りをして来たので、現像が楽しみです。



さて、カメラがたくさん増えて、出動機会が減ってしまった福造。
京都旅行のときの写真を見ると、「さすが」です。
やっぱり使い慣れていますからね。
以前は、失敗写真ばかりでしたが、最近はマトモな写真も増えて来ました。

月明かりふんわり落ちてくる夜。

麦わら少女。

御神木。

無人駅。