残景

夏が過ぎて、少し涼しくなってくる頃。
父と母を連れて千葉に行きます。
千葉は母の生まれ故郷。
そこに、祖父と祖母の眠るお墓があります。
年に一度だけれど、お墓参りに。



千葉県大多喜町
自然に囲まれた、小さな町。
典型的な田舎。
小学生の頃くらいまで、毎年夏休みと正月には遊びに行っていました。
親戚が集まって、みんなで過ごす時間。
従妹たちと、川遊びをしたり花火をしたり、地元の子と対決したり。
祖父の大きな自転車に一緒に乗せてもらったこと。
大きな籠を背負った祖母と、一緒に市場に行ったこと。
どれも楽しい思い出。
でも、もう戻れない、その場所はない、そう思うと切ない思いで。
私には、そういう田舎の経験があって、幸せだと思います。



少しずつ、便利な町に変わりつつあるのは感じます。
あのときの面影は一部だけ。
でも、佇んでいると懐かしい。
あのときの匂いがふと蘇る気がします。



お墓参りの恒例、勝浦漁港の朝市。


毎年、秋刀魚を買います。
今年はやや高めでした。



あとは、湯葉屋さんで湯葉を買い、無料のおからを大量に頂く。
帰ったら秋刀魚を刺身にしたり、煮たり、焼いたり、おからを炒って煮たり、大忙しです。
父が。
私は、運転で疲れ切って倒れている。
母は、そんな面倒な料理をしない。
これまた、毎年恒例。
夕飯に出てきた秋刀魚料理。

脂たっぷりで美味しかったです。
ビールが美味しい、幸せ。
良い季節になりました。