駆け込み鑑賞

昨日と今日、二日連続で写真展に行って来ました。
昨日は、横浜の日本新聞博物館にて来週まで開催している「92歳の報道写真家 福島菊次郎展」。
数か月前、福島氏のドキュメンタリー映画ニッポンの嘘」を観て、とても気になっていたので。
彼の考えや写真に触れ、衝撃を受けました。



写真展自体は、やや雑な作りという印象が。
解説文、「修正液じゃなくて、打ち直そうよ」と突っ込みたくはなります。
でもそんなことはどうでもいい。
写真の迫力が凄すぎて。
これらのモノクロ写真を見ていると、まるでその場にいるような臨場感が。
観終わった後は、疲れ切ってしまいました。



あと、嬉しかったのが福島氏愛用のNikon Fが展示されていたこと。
福造と色違い。
映画を観たときも、「あ、Fだ」と思ったので。
Nikon Fはボコボコにへこんでいました。
それが、どういう意味なのか。
撮った写真と共にNikon Fは語っていました。


せっかくの横浜だし、ペン5でスナップ。
夜と掛けっこする親子。

少し哀愁漂う風に吹かれて。


今日は、渋谷のアツコバルーというギャラリーにお邪魔しました。
文化村のすぐ隣のビルにあります。
元々、今月16日から始まる植田正治の展示会目的でホームページに辿り着いたのですが。
何やら面白そうな展示をしているぞ、と。
それが「盗み撮り!“サラリーマンプロジェクト”ブルノ・カンケ」でした。
フランス人写真家ブルノ・カンケが日本のサラリーマンに魅せられて、2006年より撮りはじめた作品。
写真数点観て、これは観てみたいと思い、最終日の今日駆け込みました。



何ともユーモアで、哀愁漂うときもあり、日本人のサラリーマンの特徴を捉えた写真が凄いと思いました。
というか、共感。
営業途中、心が折れて公園に佇んでしまうのですよ。
綺麗な花が咲いていれば、見上げてしまうのですよ。
約束の時間に間に合わなくて走りますよ。
安い食堂で昼食は当たり前ですよ。
電車の中で、ため息ついてしまいますよ。
居眠りだってしてしまいますよ。
睡魔に抗えず垂れた頭は、夢の中でも取引先に頭でも下げているのだろうか。
とても面白かったです。



写真は勿論ですが、このギャラリーも広々していて自由な空間で、とても居心地が良かったです。
入場料はワンドリンク付いて500円。
無料みたいなものです。
お酒もたくさんあって、カウンターで飲みながらスタッフさんとお喋り。
このギャラリー、出来たばかりらしい。
ブルノ・カンケ氏の写真学校の後輩という韓国人の女性も加わって、まったり。
すると、日本人の奥さんとヨーロッパ系の旦那さん、そしてハーフの男の子がやって来ました。
とても可愛い男の子、会場中を走り回ったり、寝転がったり。
そういうのが許される空間なんです。
あまりにも可愛かったので、私も一緒に走りました。
ご両親の許可も得たので、男の子を早速Rolleicordで撮らせてもらえて、ほくほく。
男の子も珍しいカメラに興味津々で、一緒にファインダー覗いたりして遊んでました。



そして、ブルノ・カンケ氏登場。
日本語も達者で、御茶目なおじ様でした。
気になっていたことを聞いてみた。
「写真撮ってて怒られたり注意されたことありますか」
回答は、電車の中だと若干不信がられることはあっても、咎められたことはないそうです。
小さいカメラ、ウエストレベルで撮っているということもあるのでしょうが。
スナップは、白人系外人おじさんと女性最強説は本当だったと確信。
私は、ときどき怒られたりするから、外人さんが最強ですね。



次回の植田正治展は混みそうですが。
またここにお邪魔するのが愉しみです。